ミッシングリンクとは?進化論は間違っているのか

生物学

生物は進化の過程として様々な取捨選択を経て、今の構造になり環境に適応している。
進化の過程は連鎖的に繋がっており、化石によりその進化の過程を垣間見ることができる。
しかし、中には進化の1過程となる化石が未だ見つからず、連鎖が途切れている生物もいるようだ。
今回はミッシングリンクについて解説していく。

進化論について

ミッシングリンクについて解説する前に、その根本となる考え方として進化論について説明しておく必要がある。
進化論とは、1800年代にダーウィンが提唱した「生物は自然選択によって環境に適応するように進化する。」という
生物の今の姿の理由について説明する理論である。

チャールズ・ロバート・ダーウィン 1809年- 1882年 イギリスの自然科学者。

これ以前は、生物は6000年ほど前に神によって作られ、すべての種は発生した当初から姿を変えていない。
という宗教的な考え方が一般的だった。こうした時代背景の中でダーウィンは如何にして進化論にたどり着いたか見ていこう。

根拠1、形は変わっているが、妙に似通った化石

当時の科学者たちは、現在の地上には見られない種の化石を発見すると、それは絶滅した種であると解釈した。
すなわち現在の地上にいる種とは別の種として単に絶滅したと捉えたのだ。
しかしダーウィンは、発見される化石が地層毎に形は変わってはいるが似ている種が発見されることに着目し、同じ種が過去から現在にかけて形を変化させていると解釈した。
まさに進化論の状況証拠となる考え方である。

根拠2、環境によって特徴が違う類似した種

ダーウィンは、ガラパゴス諸島で自らが採取した鳥と、友人が異なる島で採取した鳥が極めて似ていることに着目した。
鳥は色や形が異なっているのですが類似しているため、住み着いた環境により元は同じ種であってもこのなる進化をとげると解釈し進化論を後押しするものとなった。

ダーウィンフィンチ ガラパゴス諸島およびココス島特産の鳥
根拠3、痕跡器官の自然な説明

痕跡器官とは、現代の生物に構造として存在している(又は名残がある)が、まったく機能していない器官のことで、種が発生当初からこのような器官を有しているのは不自然である。
以前は機能していたが、進化の過程で不要となり器官が退化し名残として現代の生物に存在する解釈すれば、進化論でこの問題に自然に答えを与えることができる。

自然選択による適応

進化論では自然選択という仕組みが理論を支えています。自然選択とは以下の過程を指す。
種には大きさや形など、形質に多様性のある個体達から成り立っており、形質の内いくつかは子孫へ遺伝する。
その中で環境に対して有利に働く形質を持っている個体の子孫が繁栄していく。
つまり、様々特徴を有しているある種は、自然に対して生存に有利な特徴を持っている個体が生き残っていくのだ。

進化論とは、種は上記した自然選択の過程の中で環境に適応すると言える。
実際は種全体ではなくて、有利な特徴を有している個体達が生き残るのである。

ミッシングリンク(失われた環)とは、

進化論の説明から分かる通り、自然選択による適応を繰り返した種は連続的にその姿形を変えていく。
例えば、クチバシが長さに個体差(多様性)がある鳥がいたとしよう。その地域には樹木の穴の奥に、
この鳥の捕食対象である昆虫がおり、クチバシが長い個体のほうが餌を確保出来、種として生き残っていくことが有利になる。
そしてクチバシに個体差があるこの種の鳥は、時間とともにクチバシが長い個体のみとなっていく。
つまり、この鳥の化石は年代順に並べるとクチバシが長くなっていくように見えるのだ。
A→B→Cと、A,Cの中間的特徴をもったBが存在するのが自然である。

しかし進化の過程で、中間的な特徴を持った種Bが存在した証が見つからないことがある。
これを、ミッシングリンクという。

では、実際どのような生物に対してミッシングリンクが存在しているのか。

ミッシングリンクの実例

クジラは世界最大の哺乳類で、地球上に現存する動物の中で最も大きいサイズを誇り、海中で生活をしている。そんなクジラだが、その先祖は陸上で生活していたパキケトゥスという名の動物だったとされる。サイズは大型犬程度で4本足で約5千万年前の陸上を移動していた。その後、陸から海へと生息域が変わり現代のクジラへと進化していったと考えられれている。しかし現代のクジラの姿は前ヒレのみを持ち4足歩行で陸上で生活していた面影はない。そうなると足を失い、ヒレに変化する過程の姿が化石として発見されるべきであるが、これが20世紀末まで未発見であった。まさにミッシングリンクである。

最新の研究では、クジラの先祖が陸から水中へと生活を移す段階の化石が発見されているという。
この化石の主はフィオミケトゥス・アヌビスと名付けられて、全長は3メートル、体重は600キロのサイズがあり、水陸両性の動物で、その大きさから獲物の捕獲は水中で行っていたとされている。
このようにかつてミッシングリンクとされていた動物たちも最新の研究で、その過程が発見され”環”をつないでいくのである。

最後に、実は我々ヒトについても、その先祖は類人猿であったとされるが、具体的にホモサピエンスまでの進化の過程ははっきりしていないという。
いつかすべてのミッシングリンクがつながるようになるのだろうか。
そしてその根拠は、もしかしたら我々を驚かせてくれるものなのかもしれない。

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